8月4日 (月)  人生初

この公演中、生まれて初めて傷口を縫った。

しかも負傷は金曜日初回の本番中、中盤の出番から引っ込む時、金属片で右手薬指をざっくり切った。
最初暗くてよく分からなかったが、なんかぬるっとして、ちょっと痛い。
急いで楽屋へ行って見てみると肉が見えてやがて血がどんどん出てくる。
まだこの先こってり出番はあるし、とにかく血が出ないようにしないと、と思い、たまたまアロンアルファを持っていたので
勇気を出して傷口に塗って固まるのを待つが、固まる前に血が下から押し上げてくるので、
ちょっとたっぷり塗ってバンドエイドを上から2重に巻いた。
そこでタイムリミットで次の出番が来て、ちょっと遅れたみたいだけど、
何も知らない共演者が間をもたせてくれたみたいで、なにげに芝居を続けた。
その出番のあと指をみたらまたちょっと血がにじんでいたので、
もう一枚バンドエイドを巻いて、また次の出番ぎりぎりになって出て行って、そのまま最後まで。
どうにか芝居を止めずに済んだけど、ほとんどうわの空だった。
本番中ひとりで処置していたので(というか人のことをかまってる暇のある人はいないので)
団員もほとんど知らなかったみたい。

お客さんを見送ったあと、村上記念病院へ直行して夜間だけど処置おねがい。
出てきたのがちょっとツンデレの女医で、事情を説明して傷口を見せると、
「あー、じゃまず自分で洗えるだけ洗ってもらえます?」
と洗面台に立たされた。
よく見ると傷口の上にアロンアルファがしっかり乗っかって、もう血は止まってる。
水を流しながら、あー痛いなーとか主張しながらアロンアルファをぺりぺり自分で剥がした。
「ほら、これアロンアルファ」なんて、傷口と一緒に見せたら、
アロンアルファの方は軽くあしらわれ
「あー、けっこうきれいに切れてますね〜。じゃ、縫っときますか。」ということで、
人生初の局部麻酔と縫合を体験した。

家に帰って、そのことを妻に言った瞬間、
妻も昔、舞台上で手首を切ったことを思い出した。

6日に抜糸します。

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